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宅地建物取引士の平均年収はいくら?具体的な金額や年収アップのポイントを解説!

2022年12月20日

宅地建物取引士の給料について

年々需要を確固たるものとしている宅地建物取引士(以下宅建士)。そんな多くの業界で活躍している宅建士がどのくらい給料をもらっているのか気になりますよね?この記事では、不動産業で主に活躍する宅建士の給料についてご紹介します。宅建士の給料状況について知りたい方はぜひご参照ください。

宅地建物取引士の平均年収は?

平均年収の値

では一体宅建士はいくらぐらいの平均年収を得ているのでしょうか?厚生労働省によって行われた調査によると、宅建士を含む販売類似職業従事者の平均年収は約543万円(月給35万、ボーナス119万円)でした。なお、大手求人サイトによると、宅建士の平均月収は約35万円となっております。

全業種・業界内での比較

厚生労働省の調査によると、民間全業種の平均年収は約487万円であり、不動産業・物品賃貸業の平均年収は約533万円でした。
これらの結果と比較すると、宅建士(を含む販売類似職業従事者)の平均年収は全業界、不動産業・物品賃貸業と比較してやや高めであるといえます。

宅地建物取引士の他業界との給料比較 宅地建物取引士の他業界との給料比較

宅建士の平均年収が高い理由は?

これまでの調査で宅建士の平均年収が高いことがわかりましたが、いったいなぜでしょうか?
宅建士は法律による規定で、各事業所に複数の宅建士の設置義務があります。また、宅建士には多くの独占業務があるため不動産業界においてとても高い需要があります。
更に、多くの不動産会社では固定給のみでなく、歩合制も取っているため、不動産取引が成立した際に、その契約の仲介手数料の一部を手にすることができ、固定給に賞与として加算されます。
このように、宅建士は不動産業界において多くの需要があること、そして多くの不動産会社は給料形態として歩合制を取っていることが宅建士の高収入の要因であると考えられています。

宅地建物取引士の雇用形態別(正規・非正規・パート・アルバイト)の給与比較

宅建士は正社員として働く以外にも、契約社員・アルバイトやパートなど多様な雇用形態が存在します。
大手求人サイトでの宅建士の給与の相場を調べると、正社員の場合、基本は歩合制であり、固定給の相場は月に約23万~58万円ほどとなっており、この金額に出来高が加算されます。契約社員の場合、基本は月給制であり、その月給は約18万~33万円ほどとなっており、正社員と比較すると少し低くなっております。アルバイトやパートは時給制となっており、その相場は1400~2000円ほどとなっております。この相場は週5日で毎日6時間ほど働いたとしても、月20万円前後となります。

宅地建物取引士の勤務先別(規模)の給与比較

宅建士の年収は、ほとんどの場合で規模が大きくなるほど平均年収も上がる傾向がみられます。厚生労働省の調査によると宅建士の平均年収は10~99人規模の場合は約473万円、100~999人規模の場合は約519万円、1000人以上の規模の場合は約666万円となっており、規模が大きくなればなるほど平均年収も上がっていることがわかります。
しかし、驚くべきことに5人~9人規模の場合は約564万円と10~1000人規模の勤務先と比較しても高いことがわかります。なぜこのような結果が出たのでしょうか?なぜなら、宅建士の資格を持っている人は独立をすることができ、独立をした宅建士は不動産取引によって得られる仲介手数料を自分の会社の収入に直接できるため、少ない規模での高収入も見込めることがわかります。

宅地建物取引士の勤務先別(規模別)の給料比較 宅地建物取引士の勤務先別(規模別)の給料比較

宅地建物取引士の地域別(エリア別)の給与比較

都道府県ごとで宅建士(を含む住宅・不動産営業員)の収入の違いを調べてみると、東京での平均年収は約588万円となっております。一番低い地域は秋田県で約396万円です。また、一番高い地域は愛知県で約610万円です。参考程度になりますが、北海道で約525万円、神奈川県は約592万円、大阪府約563万円、高知県約398万円、福岡県約607万円、沖縄県約435万円となっています。
この結果から、人が多く住んでいる県と住んでいない県で宅建士の平均年収が大幅に違うことがわかります。なぜこのような違いが生まれるのでしょうか?
それは土地の値段の違いにあります。土地の値段は人々の需要で決まるため、人が多く住んでいる地域での地価は高く、過疎地域での地価は低いです。土地の値段は不動産取引の金額に直結するため、土地の値段が高ければ高いほど不動産取引において多くの利益を不動産会社は得ることができ、社員の高収入にもつながります。
このように土地の需要が高い地域と低い地域の間で宅建士の年収は大きく異なるため、注意が必要です。

宅地建物取引士の年齢別の給与比較

厚生労働省の調査によると、宅建士の平均年収は年齢の上昇に伴い上がっていき、一定のラインで安定する傾向がみられます。平均年収が一番高い年齢層は40~44歳となっておりピークが早いですが、その後45歳~60歳まで650万円前後の高収入が安定して得られる結果が出ています。なぜでしょうか?
なぜなら、宅建士の多くは年を取るにつれて役職が付く場合が多いからです。長年不動産取引のスキルを磨き、契約を多く成立させ実績が認められれば役職が付く場合が多く、役職が付くことで宅建士の収入は大きく上がり、また安定します。

宅地建物取引士の年齢別の給料比較 宅地建物取引士の年齢別の給料比較

宅地建物取引士の性別による給与比較

また、男女によっても平均年収が変わってきます。厚生労働省の調査によると、業界規模が10人以上の男性・女性の平均年収は男性の方が多くなっており、その差はなんと150万円近くに及びます。なぜこのような大きな格差があるのでしょうか?
それは女性の宅建士の中で非正規雇用である人たちの割合が男性よりも高いからです。宅建士として働く女性の多くは、出産や育児により一回退職した後に職場に復帰し、そのような女性は正規雇用ではなく非正規雇用による雇用が多いため、正社員の割合が高い男性の宅建士より収入が圧倒的に低いです。

宅地建物取引士の男女別の給料比較 宅地建物取引士の男女別の給料比較

将来、給料を上げるには?!

営業スキルを磨く

上記で記載しましたが、不動産業界のほとんどが給料形態として歩合制をとっています。そのため、不動産の売買が成立すればするほど、賞与として仲介手数料を固定給に加算して得ることができます。また、契約成立を積み重ねることで、実績が会社から認められ役職が付くこともあるため、不動産取引を多く成立させる営業スキルを磨く必要があります。
しかし、営業スキルといっても、コミュニケーション能力だけでなく、プレゼン能力や正確性など多くのスキルが営業に関係しているため、年収を上げるためには相応の努力が必要になります。

ダブルライセンスを取得する

宅建士の資格を取得しておくだけで十分有効的ですが、宅建士の資格と併用してマンション管理士や管理業務主任者のような不動産に関連した資格を取得すると、宅建士としてキャリアの幅が広がり、年収を更にあげることが可能になります。

独立をする

宅建士は資格を保有し免許証を獲得すれば、誰でも独立し開業することができます。独立することで、不動産取引が成立した際に得ることができる仲介手数料が全て自分の収入に結びつくため、正社員として働くよりも高収入を見込むこともできます。
しかし、独立した際は営業で会社の名前を使えないため、営業の難易度が高くなります。また、営業以外にも会社の運営・管理をしなくてはならないので、独立することはハイリスク・ハイリターンの手段であることがわかります。

まとめ

いかがだったでしょうか。この記事では宅建士の給料について様々な視点からご紹介してきました。この記事での調査から、宅建士は全業種の平均年収と比較してやや高めの収入を得ることがわかりました。
しかし宅建士の資格を取得することでさらに成功したい人にとっては、宅建の資格をより強力に使用するための努力がさらに必要になります。決して簡単ではございませんが、宅建士の資格を取得することで多くのメリットが見込めるため、興味がある方はぜひとも取得を目指してほしい資格です。

当記事に記載の数値や事実等に関しては、下記サイトの情報を基に作成しております

厚生労働省 令和2年賃金構造基本統計調査
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&toukei=00450091&tstat=000001011429
厚生労働省 職業提供サイトjobtag
https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/59
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