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宅地建物取引士のキャリアアップの方法は?仕事の現状と将来性を解説!
2022年12月20日宅地建物取引士(宅建士)のキャリアについて
近年宅地建物取引士(以下宅建士)は人気な資格TOP10常連ですが、日々変遷していく不動産業界で活躍する宅建士について考えるのは難しいですよね?この記事では宅建のキャリアについて、現状や将来性を考慮してご紹介します。宅建士のキャリアについて考えたい方はぜひご参照ください。
目次
宅地建物取引士の現状について
宅地建物取引士の業界の現状について
宅建士が多く活躍する不動産業界は、現在市場規模第4位のとても大きい市場であり、財務省の「法人企業統計年報」によると、2019年度の売上高は約45兆円であり2014年の約36兆円と比較すると大きく成長している業界であるとわかります。なぜこのような大きな成長がみられるのでしょうか?
当時、日銀のマイナス金利政策による住宅ローン低金利下が進み、新築住宅の増加が起こりました。さらに東京オリンピックの開催は、東京への国際的注目が高まり、国際都市として東京が誇る優位性を世界中に伝える大きなチャンスであったため、都市圏の民間開発・湾岸部でのマンション開発などの民間資本による都市改造が大きく進みました。このように、不動産業界は景気や政策に大きな影響を受け著しく成長しています。
2022年現在は、オリンピックが終わり不動産市場の活況は少し落ち着きましたが、ここ近年の不動産業界の状況は良好であるといえます。
宅建士の業界が直面している課題について~少子高齢化
日本の総人口は総務省の推計によると、2021年10月時点で11年連続減少しています。しかし、15歳~64歳の生産年齢人口が大きく減少しているのですが、65歳以上の高齢者人口がむしろ増加しています。国土交通省によると、驚くべきことに、2015年~2030年にかけて、生産年齢人口は約853万人の減少が予想され、高齢者の人口は約329万人の増加が見込まれています。このデータから将来、日本は少子高齢化がさらに深刻化することが分かります。そして、この少子高齢化現象が不動産業界に大きな打撃を与えることが予想されています。
ではなぜ少子高齢化の進行が不動産業界に負の影響を与えるのでしょうか?このような状況が続いた場合、高齢者の単身世帯の増加が予想されます。すると、高齢者の単身世帯はマイホームとなる一戸建てや大規模なマンションの購入を行わず、不動産業界に大きな打撃を与えることが予想されます。さらに、生産者年齢の人口が減少することは、マイホームやマンションを購入する年代の中で75%以上を占める30~40代の人口減少を意味します。
よって若者の人口減少は不動産取引の減少にも大きくつながるため不動産業界にとって少子高齢化は大きな課題となっております。そのため変わりゆく日本の人口に不動産業界は対応していく必要があります。
宅地建物取引士の将来性について
宅建士の需要の安泰
不動産業界の課題でご紹介したように、今後少子高齢化による不動産業界の需要の減少は避けては通れません。不動産業界の需要が減少すると、宅建士の需要に与えるマイナスの影響は大きそうですよね。しかし、驚くべきことに、宅建士の需要は今後も尽きないことが予想されています。いったいなぜでしょう?
宅建士には、宅建士の資格を持つ者のみ遂行できる業務がたくさんあり、不動産業界にとっては貴重な存在です。また、宅建業法の規定により、不動産会社の各事業所に宅建士は5人に1人以上いなければならないという規則が存在するため、たとえ不動産業界の需要が減少しても、不動産業界から一定数の需要が必ず存在し、今後も宅建士の需要が尽きないことが予想されています。
宅地建物取引士(宅建士)の職場環境の変化について
以前から宅建士が活躍する不動産業界や金融業界の職場は激務であると言われてきました。なぜならば、宅建士は宅建士にしかできない業務が多くあるため、ほかの社員が行っている業務と並行でその独占業務を行わなければならかったからです。
しかし、近年少子高齢化による労働人口の減少への対処のために行われている働き方改革により週休2日制が進んでいます。厚生労働省の調査によると、金融業界で週休二日制を取っている会社は約96.7%存在し、不動産業界でも94.5%の会社が週休二日制をとっている事がわかりました。
このように、以前に激務と言われていた金融・不動産業界は近年変化を遂げており、この変化は今後より顕著になるでしょう。
女性の宅地建物取引士(宅建士)が活躍する場が増える?!
これまで宅建士の資格についてご紹介してきましたが、今後女性が宅建士の資格を持つことで活躍する場所は増えるのでしょうか?
不動産適正取引推進機構によると、令和3年度宅建士全体に占める女性の割合は約25.2%であり過去27年間の間で約7.8%も上昇しています。考えられる理由として、宅建士の資格を持っていると再就職に強いことが挙げられます。家事や子育てに追われ、会社をやめても宅建を保有していれば不動産業界のみでなく多くの業界で重宝され、再就職が有利になるため女性の取得者が増えていると考えられます。
したがって今後さらに女性が宅建士として活躍する場が増えていくでしょう。
宅地建物取引士のキャリアのスタート~就職先~
不動産業界
宅建士の資格を取得した人の中で一番多い業界は不動産業界であり、不動産適正取引推進機構によると、取得者のうち約36.8%の人が不動産業界に進むそうです。先ほど上記で述べたように、宅建士には、宅建士にしかできない独占業務が多く存在し、かつ宅建業法の規定により不動産業界における宅建士の需要がとても高いため、宅建士は不動産業界で大いに活躍します。
金融業界
宅建士と聞くと不動産業界が思い浮かびますが、金融業界で宅建士が活躍できることをご存じでしょうか?実は、金融業界と不動産業界は密接につながっています。なぜならば、金融機関では不動産を担保にして融資を行うことが多く、さらに不動産に関する用語を用いることも多いからです。宅建士は不動産取引を進めるうえで必要不可欠である不動産に関する専門知識を保有しているため、金融業界での業務に多く生かすことができます。
建築業界
驚くべきことに、宅建士は建築業界とも相性がとてもいいです。いったいなぜでしょうか?
建築会社では不動産会社と顧客の間での取引の元になる物件を多く建築しますが、完成した際、その会社に宅建士がいない場合、作った不動産の取引を会社自身で行うことができません。しかし、宅建士が建築会社にいれば、建築会社が建築した物件を、顧客と直接不動産取引ができるようになります。このように自社で建築した不動産を直接販売、または賃貸の募集ができるようになるため、建築業界においても宅建士は大いに力を発揮できる資格です。
宅地建物取引士のキャリアアップの仕方
他の資格を取得する
宅建士一つの資格でも十分有強力ではありますが、管理業務主任者やマンション管理士とのダブルライセンスを所持することで更に選択肢が広がります。この二つの資格は、管理する立場は違えど両方ともマンション管理のスペシャリストになるための資格です。宅建士の立場からマンションの重要事項の説明を行い、後に管理側の立場からマンションを管理することができ二つの仕事を併用して行うことができるため、このダブルライセンスの取得により活躍の幅がさらに大きく広がります。
独立
宅建士は宅建試験に合格し国家資格を取得することで独立開業することが可能です。しかし、宅地建物取引業免許を、国土交通大臣または各都道府県知事に申請して取得する必要があります。ここで重要なことは、免許を申請する条件として事務所の開設が必須であることです。事務所は何でもいいわけではなく、宅建業の仕事を継続してできる構造をしていて、一般的に独立した状態の事務所でなければいけません。
独立のメリットは自由度が高く、会社員として勤めていたころより高収入を目指すことも可能ですが、リスクももちろん存在し、無収入の期間が長期間続く可能性があり、なにより会社の名前を使用し営業ができないため顧客の信頼を得ることが難しく、不動産取引の成立難易度はとても高いです。
独立をする際は、メリットとデメリットをよく把握して、自分の特性にあった働き方を選択することが重要です。
転職
上記で記したように、宅建士の需要は今後も尽きることがなく、多くの業界で活躍することができる資格であり転職時にとても有利になります。宅建士の資格を持って転職した際、多くの業務で活躍ができるため、昇進・昇給につながりキャリアアップが可能になります。
まとめ
いかがだったでしょうか。この記事では宅建士としてキャリアを築いていくために、重要な要素をご紹介していきました。資格としての有効性と法律の規定による宅建士の設置義務から、宅建士の需要は尽きることはないでしょう。しかし、今後様々な要因から不動産業界の需要が下がる可能性があることも事実です。今後宅建士としてさらに活躍するためには、ほかの資格を同時に取得したり、同業者とのつながりを大切にしたりと、更に宅建士としての選択肢を広げていくことも重要になりそうです。
当記事に記載の数値や事実等に関しては、下記サイトの情報を基に作成しております
- 財務総合政策研究所
- https://www.mof.go.jp/pri/reference/ssc/index.htm
- 令和2年度厚生労働省「就労条件総合調査」
- https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/20/
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