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公認会計士になる方法、仕事内容、必要な資格、年収等を解説!

2022年03月01日

はじめに

この記事では公認会計士について網羅的にご紹介いたします。詳細な情報に関しましては記事を分けて掲載していますので、是非そちらをご覧ください。

公認会計士とは

公認会計士とは

公認会計士とは、企業の財務諸表が適切に作成されているかを確認する職業です。この作業のことを「監査」と呼びますが、監査は公認会計士資格を取得している人以外は行ってはいけない独占業務となっています。監査する目的は、企業の将来性を正確に判断できるようにするためです。企業が資金調達を行う方法として、銀行や投資家から融資を受ける場合があります。その際に、正確に作成された会社の財務諸表を提示することで自社の価値をしっかりアピールできるのです。公認会計士は、正確な書類作成が行われていることの証明ができる唯一の職業です。

公認会計士の仕事内容

公認会計士が行う業務は主に3つあります。
1つ目は、独占業務である「監査」です。法人を対象とし、独立した立場から財務諸表の信頼性を確認・担保します。2つ目は、「税務」です。公認会計士は税理士登録ができるため、税務業務にも携われます。具体的な業務内容は、税務代理・書類作成・助言・海外法人の税務支援などです。3つ目は、「コンサルティング」です。相談を受けた企業に対して、経営に関する助言・指導を行います。企業活動が法律的に問題ないかどうかの判断や、財務諸表から分析した経営戦略の提案などが主な仕事です。公認会計士資格は医師と弁護士に並んで、三大国家資格といわれるほど合格難易度が高い資格です。そして、資格取得後も、業務量が多く、非常に忙しいことが予想されます。しかし、その分、企業を支え、日本の経済社会を支えていることを実感できるでしょう。

公認会計士の給料について

公認会計士の平均年収

厚生労働省によって調査された令和2年における公認会計士の全国平均年収は958.4万円です。ちなみに、月給平均は約57万円、ボーナス平均は274万円程度です。なお、公認会計士には、監査法人で働いたり、一般企業の財務関係者として就職したり、独立開業したりと様々な道が開かれているため、就業形態によって給与やボーナス支給額は異なります。しかし、一定の需要がある専門職のため、一般的な水準よりは高い給与を期待できるでしょう。

他の業種より高い?低い?

国税庁によって調査された令和2年分民間給与実態統計調査によると日本の全業種の平均年収はおよそ433万円になっています。つまり、公認会計士は全業種平均のおよそ2倍の年収が得られるのです。その理由は3つあります。1つ目の理由は、公認会計士資格は取得が困難だからです。試験の合格率は毎年10%ほどで、その難関試験を突破した人材しかなれない職業のため、高年収だと考えれば納得です。2つ目は、公認会計士の仕事は非常に専門性が高いからです。監査業務は、公認会計士以外が行うことが認められていません。3つ目は、需要が安定しているからです。書類監査は企業の数だけ存在します。しかし、監査を行えるのは公認会計士だけなので、常に人材不足の問題が発生しています。需要が高いにもかかわらず供給量が少ないからこそ、公認会計士は高年収を得られるのです。

公認会計士の資格を取得するメリット

年収が高い

公認会計士の年収は非常に高くなっています。また、需要が高く、供給量が低くなっていますので、就職先に困ることもほとんどありません。ですので、資格を取得することで、安定した将来を築くことができるといえるでしょう。

自由な働き方が可能

公認会計士の働き方は非常に自由度が高いです。監査法人に所属する場合には仕事が割り当てられることを「アサイン」といいますが、このアサインがなければ出社は遅くてもよく、業務によってはリモート作業でも問題ありません。また、独立開業する場合においても、ITを活用したシステム構築を行うことで、より自由な働き方が可能です。

企業分析能力が身につく

公認会計士は企業の財務諸表の数字を確認する仕事です。そのため、数字を分析する力が間違いなく身につきます。例えば、企業の決算書の見方が分かれば、資金管理・与信管理・将来の売り上げ予測などが可能になり、様々な場面で役立つ人材になることができるでしょう。また、ビジネスにおいて数字を分析する力は必要不可欠なので、独立する場合でも会社を経営する場合でも活用できる知識が身につきます。

公認会計士の現状と将来性

公認会計士の現状について

公認会計士は医師と弁護士に並ぶ「3大難関資格」として知られています。そのため、試験の難易度と需要がともに高く、一方で供給量が少ないため、業界でも引く手あまたになるでしょう。さらに、監査法人からコンサルティング業界に転職したり、会計事務所を設立したりと、流動性もあるため働き方の自由度が高いといえます。
しかし、公認会計士の仕事にはリスクがつきものです。今まで素晴らしい仕事をしていた公認会計士でも、1度のミスで信頼が損なわれてしまう業界です。一生懸命勉強したにもかかわらず信用問題で公認会計士として活動できなくなってしまう方も少なくありません。したがって、1つのミスも許されない業界ということなので、仕事がなくなってしまうリスクを抱えているのが公認会計士の課題です。

公認会計士の将来性

現状では監査を行えるのが公認会計士の独占業務とされていますが、公認会計士の業務内容が一部、AI技術に代替され、今後公認会計士の需要が減少する恐れがあります。しかし、公認会計士の仕事は監査だけではありません。監査+コンサルティング業務など自分の武器を高めていくことで、仕事に付加価値を付け、企業からのニーズを維持していくことができるでしょう。AI技術をうまく活用できる公認会計士を目指すことができれば、今後はAIを活用して業務を効率的に行うことができるでしょう。

公認会計士の職場環境として最もメジャーな監査法人は、非常にブラックな職場環境でした。監査を行える公認会計士の数が少なく供給量が足りていなかったため、1人あたりの作業数が多すぎたからです。しかし、近年は職場環境の見直しが行われています。以前はタイムカードを切らずに作業を続けていた監査法人も、近年はしっかりと時間管理を行うようになりました。また、機械でもできる無駄な作業はITツールに任せるなどと、職場環境は良い方向に進んでいるようです。

公認会計士になるには

公認会計士になるにはまず国家試験に合格する必要があります。試験は短答式試験と論文式試験に分かれており、まず短答式試験に合格し、その後、論文式試験に合格する必要があります。特に受験資格はなく、だれでも試験を受けることができます。一般的に、短答式試験は12月に実施され翌年1月に合格発表が行われます。論文式試験は翌年の8月に実施され、11月に合格発表が行われます。もし、論文式試験に不合格だった場合でも2年間は短答式試験が免除されます。しかし、これら2つの試験に合格したからといって、すぐに公認会計士になれるわけではありません。公認会計士になるには、更に「業務補助」「実務補習」「修了考査」をクリアする必要があります。
業務補助は、公認会計士が働く会社で監査法人の一員として2年間実務経験を積む必要があります。ただし、この2年間の期間は試験合格の前後は問われていないため、試験の合格を目指しながら、実務経験を積むことも可能です。

実務補習は、実務補習所で3年間講義を受け、必要な単位を取得しなければなりません。一般的には、監査法人で働きながら実務補習所に通うことになります。そして、単位取得後、年に1回行われる修了考査(合格率約50%)に合格し、公認会計士の登録を行うと晴れて公認会計士になることができます。

以上のように、公認会計士になるまでの道のりは非常に長いです。しかし、公認会計士になればやりがいにあふれた仕事と高い水準の給料を得ることができます。

公認会計士になるために進むべき進路

公認会計士試験を受験するのに学歴は関係ないので、誰でも挑戦することができます。ただし、公認会計士の試験科目と深く関連している学部や学科を選ぶことで、試験対策に向けた基礎知識を身に付け、公認会計士試験の勉強に有利に働くこともあるでしょう。
さらには、公認会計士の資格を取得するうえで、学歴は全く関係ありませんが、将来的に大手の監査法人に就職を目指す場合は高学歴のほうが採用されやすいということもあるでしょう。
また、公認会計士の合格をつかむのは狭き門になっており、途中で一般企業への就職に切り替える人も少なくはありません。将来的なことを考えるならば、できるだけ難関大学を目指すことをおすすめします。ただし、一般的には大学に通いながらダブルスクールに通うことになるため、大学とスクールとの両立ができるかどうかを検討する必要があります。

当記事に記載の数値や事実等に関しては、下記サイトの情報を基に作成しております

厚生労働省令和2年賃金構造基本統計調査
https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/172
厚生労働省職業情報提供サイト
https://shigoto.mhlw.go.jp/User
国税庁民間給与実態統計調査
https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2020/pdf/002.pdf

実際に働いている人の口コミをチェックしよう!

公認会計士として実際に働く方にアンケートをとり、 仕事に対する満足度を5段階で評価してもらいました。
実際に働いている人の口コミを参考に、どんな仕事なのかイメージをつけましょう!
実際に働いている人の
公認会計士の満足度
総合満足度
総合満足度とは?
各項目(仕事内容・ワークライフバランス・年収・仕事の将来性・女性の働きやすさ)の合計点数の平均をとった点数です
★★★☆☆ 3.4 (19件)

公認会計士の 口コミ一覧

全19件

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東京都の30代後半男性

正社員 / 850万円以上~900万円未満 / 大学卒

就職先:監査法人

総合満足度 ★☆☆☆☆ 1.0
  • ワークライフバランス (満足度1

    昨今の社会的な圧力により残業をさせない雰囲気を作っているが、それは形式的だけで本来見直すべき業務量が改善されていないためサービス残業が横行しているのが実態。

  • 年収 (満足度1

    給与テーブルが単純であり、昇格しない限り年収は上がらず、アップオアアウトのピラミッドであるため長く働きづらい環境である。

  • 仕事の将来性 (満足度1

    法律がある限り仕事がなくなることはないが、若手が業務量やストレスで辞めやすい環境のため、業界自体が人手不足で危機かもしれない。

  • なぜその仕事に就いたのか

    大学の時に公認会計士のことをしり、試験に合格したため公認会計士の仕事に就くことにした。

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茨城県の20代後半女性

正社員 / 400万円以上~450万円未満 / 大学卒

就職先:監査法人

総合満足度 ★★★★☆ 4.0
  • 仕事内容 (満足度4

    お客さんにありがとうと言われた時 みんなができないことをパッとできるようになったとき

  • ワークライフバランス (満足度3

    休み、リフレッシュなどホワイトな会社だから割と取りやすいきがする リフレッシュして業務にに専念する

  • 年収 (満足度4

    価格高騰、景気低下に伴いもう少し給料が上がってくれたらありがたいなと思います

  • 仕事の将来性 (満足度5

    もっといろんな人の役に立ってハイテクな技術をもって簡略化しもっと効率的な業務ができるようにしたい

  • 女性の働きやすさ (満足度4

    まだ男性社会な上に女性としての立場があまり確立されていない もっと働きやすい環境になりたい

  • なぜその仕事に就いたのか

    いっぱいみんなのために働きたいとおもったから みんなの役に立ってもっと働けるかっこいい人になりたいから

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東京都の20代前半女性

正社員 / 350万円以上~400万円未満 / 大学卒

就職先:監査法人

総合満足度 ★★★★☆ 4.0
  • 仕事内容 (満足度4

    有価証券報告書が公表されたときには多くの人の役に立てたと感じます。 また会社の方とのコミュニケーションの中で気づき事項が改善できたときにも嬉しいです。

  • ワークライフバランス (満足度3

    休暇はしっかりと取れるような仕組みが作られています。この業界の人手不足は解消されていないので、残業はそれなりにあります。

  • 年収 (満足度4

    業務量の割には高くないかもしれませんが、その後に生きる経験をさせてもらえているという点である程度満足しています。

  • 仕事の将来性 (満足度4

    インフラとしての役割を担っていることから、将来なくなる仕事ではない。 サステナビリティの開示等で成長することも考えられる。

  • 女性の働きやすさ (満足度5

    目標となる先輩方が多くいる。 時短勤務や残業免除、休日の未就学児の託児所などサポートが充実している。

  • なぜその仕事に就いたのか

    専門的な分野で人の役に立つ仕事がしたいと思ったからです。 監査だけではなく企業や税務など幅広い分野で活躍できることも魅力に感じていました。

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福岡県の40代男性

正社員 / 1,000万円以上~1,100万円未満 / 大学卒

就職先:コンサルティング会社

総合満足度 ★★★☆☆ 3.0
  • 仕事内容 (満足度3

    人や会社に喜んでいただける仕事だからです。外部の立場で、同じ喜びを一緒に体感できる仕事は限られると思います。

  • ワークライフバランス (満足度3

    融通はきかせてもらっていると思う。基本的には定時に帰れるし、事情がある場合には早退することも容易にできる。

  • 年収 (満足度2

    自分のパフォーマンスから考えると、もう少しいただいてもよいと思う。退職金がないため、その分給与に反映してほしい。

  • 仕事の将来性 (満足度4

    少人数の公認会計士が集まって運営している会社であるため、今後の事業ステージを上げるために重要な時期にあると思う。表に出せる成果を具体的に残していきたいと思う。

  • なぜその仕事に就いたのか

    公認会計士の資格をもっと活かした仕事をやりたいと思ったから。監査法人では限られた仕事しかできないため、自分のスキルアップのためにコンサルティング会社へ転職したためです。

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東京都の40代女性

正社員 / 850万円以上~900万円未満 / 大学卒

就職先:監査法人

総合満足度 ★★★☆☆ 2.8
  • 仕事内容 (満足度4

    独占業務であるため資格保有者しかできない仕事という点ではやりがいがある。決算のタイミングで業務が増えるため季節労働者であるという点はつらい

  • ワークライフバランス (満足度2

    繁忙期は夜遅くまで・休日出勤もありワークワークバランスとなる。閑散期に長期で休みが取れる可能性があるという点は良い

  • 年収 (満足度2

    新人のタイミングでは一般事業会社に就職した人よりは収入が多いと思うが、業界の景気に左右されることもありその後の給与テーブルの伸びは微妙

  • 仕事の将来性 (満足度3

    現時点では法定の業務があるため安定している。四半期レビューが取り沙汰されているが今後業務が減る可能性は否めない

  • 女性の働きやすさ (満足度3

    基本的には男女関係ない。担当業界によっては男女ではなく学歴(東大のみなど)でチーム編成される可能性がある。

  • なぜその仕事に就いたのか

    他の業界を目指していたが女性は要らないと言われたため、ある程度収入が見込め、かつ女性であることが理由で採用されないということがない職種を選んだため

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