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通信制高校と不登校

不登校問題とは

文部科学省による不登校の定義は、「何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により登校しない、あるいはしたくともできない状況にある為に年間30日以上欠席した者の内、病気や経済的な理由による者を除いた者」とされています。
以前は不登校という言葉よりも「登校拒否」という言葉が多く使われていました。平成13年度には小中学生の不登校児童生徒数が13万9千人と過去最高を更新するなど、現在に至るまで深刻な社会問題となっています。
文部科学省「高校生の不登校・中途退学の現状等について」(2012年度)によると、高等学校の不登校要因は以下の通りです。

◆「本人の問題に起因」・・・61.7%
病気・その他本人に関わる問題等
◆「学校生活に起因」・・・24.9%
友人関係や教師との関係・学業不振等
◆「家庭生活に起因」・・・8.5%
親子問題・家庭内不和等

現在、中学生総数は357万人に減少していますが、実に37人に1人の割合で不登校中学生が存在し、不登校小学生は、311人に1人の割合で存在しています。また、国公私立を含めた不登校高校生の数は、55,707人(2010年)。60人に1人の割合で不登校高校生が存在します。そして、不登校高校生のうち、31.5%のひとが高校を中途退学しています。

不登校に悩んだ人が通信制高校に通うメリット

不登校経験のある生徒さんは、毎日学校に通うことに不安を持っていることが多いと思います。不登校になって、そのまま退学してしまう人もいます。
全日制高校に進学する場合、内申書の関係で長期欠席や不登校は不利な要素になります。仮に全日制高校に進学できても、それまでの状況を考えると、3年間通うことへの不安もあると思います。一方、通信制高校で、内申書が入学に影響することがほとんどありません。また、月に1~2回の登校で良ければ、不安も少なく、自分のペースで学校生活を送ることもできると思います。最近では臨床心理士やカウンセラーなどの専門家が配置され、不登校経験者のメンタル面のサポートを手厚くしたり、不登校経験者対象のクラスを併設している学校も出てきています。通信制高校には、人間関係や学力に対して悩みを抱えているお子さんが多く集まります。新たな環境で良い先生との出会いや同じ悩みを持った生徒との交流を通して、悩みが軽減される場合もあります。似た境遇を持っているからこそ、お互いの気持ちがよくわかりますし、通信制高校に通うことで、それまでの人間関係に対する不安が解消されることも多いです。通信制高校では、入学直後の早い時期に、泊りがけのイベントが開催される学校もあり、これをきっかけに友達ができたという話もよく聞きます。このように学校側が友達づくりをサポートしている例もあります。
通信制高校の中には、不登校者への対応を強化している通信制高校では、不登校相談窓口を設けているところもありますので、不登校に悩まれている方は、一度電話で問い合わせてみると良いかもしれません。
通信制高校の中には、スクールカウンセラーをはじめ、 スクールソーシャルワーカー特別支援コーディネーターなどの専門家が配置されている学校があります。不登校などの悩みを抱えるお子さんにとっては、心強い存在といえます。
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