通信制高校の生徒・保護者に対するアンケート調査結果
通信制高校への入学形態は、中3からの
新入学が45%と最も多いものの、
転入学(別の高校からの転校)39%、
編入学(高校中退後に入学)13%と合わせて52%が転/編入学生で占められており、通信制高校が柔軟にさまざまな状況の生徒を受け入れていることがわかります。
転/編入学による生徒が現在の高校生活に対してどう思っているかを聞いた設問に対しては、75%が「楽しい」(非常に楽しい22%、楽しい30%、どちらかといえば楽しい23%の合計、以下「楽しい」はこの合計数値を示す)と回答しており、転入・または編入の生徒が、通信制高校の生活を肯定的に捉えていることがうかがえます。
学校選択のきっかけは、「親に紹介された」が35%と最も多いほか、保護者のアンケートでは「学校訪問」、「WEBサイト(PC)」、「新聞や雑誌」、「中学の先生の紹介」が多く、保護者が情報収集をして学校を選んでいるようです。学校選びには保護者の協力も必要ですが、生徒が主体的に自分に合う学校を探す姿勢も重要です。「自分で選んだ」という意識が、その後の学校生活を継続する上で大きな支えとなります。
生徒の入学時の学校への期待は、「高卒資格(67%)」、「自分のペースで組み立て(51%)」が半数以上に上ります。その他、「厳しい規則がない」(38%)、「自由な時間が増えそう(36%)」、「先生が親しみやすそう(34%)」、「不登校経験者への配慮(31%)」、「個別指導、少人数制(30%)」と続きます。
保護者の入学時の学校への期待は、「高卒資格(89%)」が圧倒的に多いほか、「子供のペースで組み立て(61%)」、「不登校経験者への配慮(60%)」、「個別指導、少人数制(41%)」、「カウンセリング体制(35%)」などが多くなっています。自分のペースで学習ができることに加え、その学習をサポートする体制が整っているかどうかが重視されていると言えます。
生徒に学校の楽しさを7段階で聞いたところ、一番上の「非常に楽しい」が2割強、上から2番目の「楽しい」をあわせると53%と過半数を越えています。「どちらかといえば楽しい」を加えると76%になり、4人に3人は「学校が楽しい」と感じている計算になります。
生徒の回答者のうち、不登校経験者は59%いましたが、不登校経験の有無で学校の楽しさの度合いに差はないようです。
生徒の学校に対する満足点としてあげられたものは、トップが「高卒資格が確実(63%)」、次が「自分のペースで組立(45%)」、「先生(42%)」、「友達(40%)」となっています。
保護者に対して、子供が何に満足しているかを聞いたところ、トップが「高卒資格が確実(80%)」、次が「自分のペースで組み立て(52%)」、「先生(50%)」、「友達(40%)」となっています。現在学校が楽しいという子供をもつ人ほど、「集中スクーリング」、「ユニークで楽しい授業」、「学校独自の専門教育」に満足している傾向があるようです。
不満点は、「集中スクーリングが面白くない」が20%いたものの、あまり不満項目としてあがっていませんでした。その他、「ユニークで楽しい授業がない(11%)」、「体験授業がない・面白くない(11%)」、「規則が厳しい(12%)」など授業に関して、10%台前後であがっていました。
学校が楽しい人ほど、 「集中スクーリングが面白くない」、「規則が厳しい」への不満は低い傾向にあるようです。
保護者の44%は、特に不満点をあげておらず、「友達がつくれない」が13%でトップ、あとは10%未満でした。