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静岡サレジオ高等学校 インタビュー
石橋空哉さん ソフィアコース 12年、前澤琉音さん エグゼクティブコース 10年
僕は公立中学から静岡サレジオ高等学校に入学しました。静岡サレジオを選んだ一番の理由は、国際色豊かな学習環境で、日常的に英語を話す機会も多いと聞いたからです。
英語に興味を持ったのは、ダンスがきっかけでした。6歳の頃からヒップホップダンスを、中学からはオリンピック種目にもなったブレイキンを続けているのですが、中学3年生の時に先生に薦められて出場したスピーチコンテストで黒人差別の問題をテーマに調べました。そこでダンス音楽の歌詞の深い意味に気づき、大好きなダンス文化をもっと深く知るためにも、生きた英語を学ばなければならない、と半ば使命のように感じました。これに一番合っていたのが、静岡サレジオのソフィアコースでした。
入学すると、学習環境もカリキュラムのレベルの高さも期待以上でした。僕たちの学年からスタートしたDP(※)のカリキュラムは、英語力はもちろんのこと、自己管理能力、論理的思考、批判的思考も養うことができたと感じています。
例えばTOK(セオリー・オブ・ナレッジ)の授業では、新しい知識を獲得するまでのプロセスを論理的に説明できるようになるまで、一つのテーマを多角的に捉え、自分の常識や知識を疑う訓練をします。テーマは「なぜ学ぶのか」といった基本的なものから、「戦争をモチーフに作られた作品、建造物は芸術と言えるのかどうか」といったものも。僕は芸術といえば絵画や音楽だと思っていましたが、TOKを通じて「人が何らかの意思を持って伝えたいがために作り出したもの」と定義し、例えば原爆ドームもまた一つの芸術だと捉えるようになりました。もちろん芸術ではないと考える人もいるでしょう。正解はありません。TOKは日本語で行う授業ですが、当たり前だと思っていた価値観が覆る瞬間が度々あり、何事も結論を出す前に立ち止まって考える習慣がつきました。
また担任の先生は全員ネイティブスピーカーで、面談もすべて英語です。面談の日時も自分からアポイントをとる必要があります。大変ではありますが、英語力とスケジュール管理能力も身についたと思っています。
※DP:ディプロマプログラム。国際バカロレア機構が16歳から19歳の生徒を対象に設けた2年間の教育プログラムで、合格すると国際的な大学入学資格を得られる
ダンス部の部長として、大会出場を目指してがんばっています。
通っていた公立中学にはダンス部がなかったので、学外活動として個人的なレッスンを続けてきました。だから部活動というものに憧れがあり、静岡サレジオにダンス部があって本当に嬉しかったです。でも実は、入った当初のダンス部は各自が好きなように楽しく踊っていて、大会を目指すような雰囲気はありませんでした。もちろんそれも魅力的な活動の形ではありますが、基礎を学んだほうがもっと面白くなるはず、そして目的があったらもっと部としての団結力も各自のモチベーションも上がって楽しく踊れるはず。そう考えて2年の始めにダンスリーダーを任されたあたりから少しずつ有志を巻き込んで、DANCE CLUB CHAMPIONSHIP(全国高等学校ダンス部選手権)などの大会出場を目指し始めました。
風土の改革は簡単ではありませんでしたが、根気よく本気のダンスの面白さを伝えていき、始めは部員の3分の1以下だった大会出場希望者が、今では部員の大半になりました。厳しい練習に耐えたメンバーは強い精神、団結力を育み、全員がリーダーとなれるほどの頼もしい仲間となっています。今年は新入生歓迎会のパフォーマンスをみて入ってきてくれた1年生も多く、部員数は中高あわせて30人から50人まで増えました。部活として急速に伸びている手応えがあり、いずれは大会でもいい結果がついてくるはずだと確信しています。
またダンス部の活動はDPとも通じる部分がありました。DPには「シアター」という、英語劇をゼロから自分たちで作り上げる選択科目があります。シアターでは「自分たちの表現したいインテンション(意図)は何か。それをどう伝えるか」が最も重要とされていいます。ダンス部にはコーチがいないので、やはり自分たちで表現したい内容を考え、それに合わせて振り付けや構成を考えていくことになります。技術や演技力も重要なのですが、創造性の開放や客観的視点を養うという意味でも、DPとの相互作用があったと感じています。
静岡サレジオ、特にソフィアコースは、やはり国際関係に進みたいと考えている生徒が多い印象です。国際情勢に興味がある人、あるいは受験用ではない、実生活で使える生きた英語を学びたい人にはソフィアコースは本当にお勧めです。
自分自身、進路としては上智大学の国際関係法学科を考えています。国際情勢と国際法、両方の観点から世界を学ぶ学科です。英語を真剣に学びたいと思ったきっかけが黒人問題ということもあり、また静岡サレジオに入学して様々な国籍の先生や生徒と直接話す機会も増え、国際情勢にこれまで以上に強く関心を抱くようになりました。複雑に絡み合う多くの国際問題を解決していくためには、世界情勢を学ぶと同時に、なぜ国際法があるのかというその意義から理解する必要があると思うからです。
もう一つ静岡サレジオの特色というと、やはりキリスト教の学校ですので、信者の方ではなくても、教えを重んじられる方が向いているのかなと思います。といっても特別なことはありません。むしろ僕は、キリスト教の教えは、人が根源的に大切にしている道徳的な気持ち、思いやりの気持ちと同じであって、聖書はそれをわかりやすく物語として伝えているだけだと思っています。
静岡サレジオには隣人を尊ぶ精神が根底にあります。そんな穏やかで自由な雰囲気も感じてもらえると思うので、ぜひ一度遊びに来てみてください。
私の入学動機はもしかしたら他の静岡サレジオ生とは少し違うかもしれません。私は陸上部の顧問の先生の指導方針に惹かれて、陸上競技のためにこの学校を選びました。
小学5年生の時からクラブチームに所属して長距離を走っていました。ものすごく負けず嫌いで、勝ちたい一心でがんばっていましたが、「苦しんだだけ結果がついてくる」と信じ込んでいたので、6年生の時には毎朝「今日はまた放課後に10周も走るのか」と、うんざりしていました。
そんな時に、静岡サレジオの体育の先生で陸上部の顧問でもある木村先生が声をかけてくださって、静岡サレジオ陸上部の見学来ると、苦しい練習とは全く違ってびっくりしました。「走り込みなんてしなくていい」「効率のいい動きができれば、疲れずに走ることができる」。そんな教え方、全国でも珍しいと思います。苦しい練習から開放されたかったこともあって飛びついちゃったところもありますが、大正解でした。
静岡サレジオ中等部に入学して、しばらくは長距離ではなく短距離走や身体の使い方といった基礎トレーニングばかり。今思えば私が負けん気から、無理をしたら潰れてしまうと考えて、高校、大学、一生走れるように守ってくれていたんでしょう。しかし、最近ようやく1500mと3000mで県大会にも出場できました。結果としてはダメだったんですけど、この先、東海大会、全国大会で戦うための課題も見つかったので、前向きな「ダメ」でした。
ものすごく負けず嫌いで、負けたら大泣きして家族や友達にも迷惑かけてた大問題児だった私が、冷静に考えられるようになったのも、先生の「走るのが速いやつが偉いんじゃない。自分と向き合って、悔しい思いもして、それでも走り続けるやつが本当に立派なんだ」という言葉のおかげです。それに「自分が勝つということは、負けた人がいる。だからいい加減なレースはするな。勝者は孤独で責任がある」ということも。だから勝ち負けのさらに先の課題に目が向くようになりました。陸上部は走り方だけではなく、人間を育てる部だと思いますし、陸上は大学でもその先もずっと続けていきたいです。
走るのが楽しいのでどうしても部活動がメインになりますが、勉強もがんばっています。なにしろテストで赤点を取ると、部活の時間にみんなが練習している隣で勉強をしなければならないので(笑)。でも、高校に来て「勉強って楽しい」と初めて思うようになりました。エグゼコースは、いわゆる私大医学部や国公立を目指すコースですが、同級生も変な人というか、面白い人が多いです。見たことないような分厚い本を何冊も読んでいたり、大きな生物図鑑を専用のバッグに入れて持ち歩いていたり。特定の勉強が大好きな人が、自分のしたい勉強をとことん好きなだけつきつめている、マニアックな人が多いですね。「勉強」というもののイメージも視野も広がって、すごく刺激を受けています。
授業もすごく面白いです。中学までは勉強って、テストのために暗記するものだと思っていました。でも例えば数学の授業では、ただ公式を暗記して数字を当てはめるのではなく、公式を使わずに足し算・引き算・掛け算・割り算だけで解く方法を教えてくれます。丸暗記ではなく、解く仕組みを教えてくれます。
ユニークな先生が多いのも静岡サレジオの特徴だと思います。例えば、「知育菓子先生」という、全国でも10人くらいしかいない、知育菓子を使った教育メソッドの資格を取得している先生が、静岡サレジオには3人もいます(笑)。授業が楽しいからどんどん興味を持って好きになって、試験の成績もよくなってきました。生徒同士でグループになって問題を教え合うことも多く、誰も取り残さない授業で、教室全体も雰囲気がいいと思います。
私はスマホを見るのが大好きなんですが、それは知らない新しい情報を知るのが楽しいからです。勉強も実はネットサーフィンと同じで、基礎的な仕組みを知って深堀りしていくとどんどんいろいろな情報がつながって、知識欲を満たしてくれるんだなと。だから最近は、勉強も趣味の一つだと思うようになりました。
すごく自由な校風で、先生方は部活でも勉強でも生徒のやりたいことを応援してくれます。個性的な生徒が多く、みんな自分の気持ちに嘘をつかないから、ほかの人の個性も尊重できるのだと思います。
自分のやりたいことや、何が「好き」で何が「嫌い」か、をわかってないと、まわりに流されてしまいます。私も静岡サレジオに来る前はそうでした。でも、誰かに流されて決めて、問題があったときに誰かのせいにしてしまうより、自分で決めたことだからどんな結果になってもその次に活かしていこうと考えたほうがいいと思います。静岡サレジオにいると、そういう思考回路が自然と身につく、鍛えられると思います。これは単なる受験勉強の知識では得られない、貴重なものではないでしょうか。
だから、すでに自分のやりたいことが決まっていて、それを突き詰めたい人はもちろん、どちらかというと流されがちで、自分の本当の気持ちがわからない、という人にこそ来て欲しいとも思いますね。
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