「自ら学ぼうとする力」こそ人生に活きる真の学力
生徒のやる気と努力を評価する。前向きでアクティブな姿勢を後押しする。それが中村学園三陽の教育指針のいちばんの特徴です。学力とは「学んだ力」だけではありません。「学ぼうとする力」こそが人生に活きる学力です。そのため授業でも、先生から生徒へ教える一方通行のコミュニケーションではなく、生徒に考えさせるアクティブラーニングを重視しています。さらに期末考査以外の定期試験は廃止、本校独自の三陽観点別評価(学習の達成度を測定する評価方法)を実施することで、生徒の学習意欲を引き出すシステムを採用。またiPadを使ったICT教育も福岡ではいち早く導入しました。これにより生徒は時間や場所にとらわれず予習・復習が可能になり、積極的に学ぶ姿勢が定着しつつあります。
テレビ番組でも紹介された熱い修学旅行プレゼン大会
本校のアクティブラーニングですばらしい成果を示しているのが高校修学旅行です。高校2年の11月に実施する修学旅行の行き先は、生徒たちの発案で決まります。プランニングは、高校1年の1学期の探究の授業でスタート。まず、各クラスで3~4名のグループに分かれ、希望の行き先をプレゼンし、クラス代表を決めていきます。そして、2学期には、旅行会社の方を含んだ「修学旅行先選定プレゼンテーション大会」を実施。専門的な立場からのアドバイス等を頂きながらリアルなディスカッションが行われ、最後に生徒・教員・旅行会社の方々による投票で行き先が決定。各班の「まとめ学習」までが一つの大きな協同学習です。プレゼンテーション大会の様子は本校ホームページの動画でご覧いただけます。「熱い」です。こうして自分たちで考え、決定し、やり遂げるというかけがえのない体験はゆるぎない自信につながります。
また、勉強にかぎらず、学生生活の中で自分が力を入れていることをすべて記録するよう、クラウドドキュメントツールNotionを使ったポートフォリオの作成を強力に推進しています。努力の軌跡は、学習活動や課外活動の記録としてだけでなく、総合型選抜をはじめとする、学力以外の評価を行う入学試験の際のプレゼン資料としても宝になります。
困難に挑み克服する力を持った、心の熱い男になってほしい
中村学園創設者の中村ハル先生は、次のような教育信念をお持ちでした。「人間は頭の良し悪しや学力の優劣よりも何よりも、人物が出来ていることが基本である」。この精神は現在の中村学園三陽にも息づいています。令和に入り、生徒会が主体となって掲げた「三陽綱領」は「挑戦(小さな一歩)努力(大きな努力)忍耐(決意の持続)」。熱いでしょう。また、登下校時に必ず通る三陽坂は、標高50メートル差のある長く急な坂道です。入学したばかりの中学生は登っただけでヘトヘトになっていますが、卒業する頃にはすっかり鍛えられて「こげんな坂を登れん男はつまらん!」と偉そうにしていますよ。実際に本校の生徒たちは、たとえ入学時に少々おとなしくても、男子校ののびやかな雰囲気の中で変わっていきます。勉学に部活動にと前向きに挑戦するうちに、心の熱い硬派な九州男子に成長していく。三陽坂は、そんな彼らの成長を見守り続ける本校の象徴でもあります。